【肩こりの種類や傾向】
西洋医学では首から肩、腕や手指にかけて何らかの症状を示すものを 頚肩腕症候群と読んでいます。首や肩の症状別に挙げてみますと
・首から肩の筋肉にかけての凝りや重だるさ
・肩関節の動作時の痛みや運動制限(五十肩)
・腕や手指のしびれや痛み(胸郭出口症候群や頚椎ヘルニア等)
などがあります。
【肩こりの種類や傾向】
当院では西洋医学的観点から痛みやしびれの原因が 骨(軟骨)か神経か筋肉か循環障害なのかの診断を理学検査などにより行います。 (胆石などで肩に痛みがでることがあります) 治療は東洋医学的に行い、どの経絡の変動により痛みやしびれがおきているかを診断しますが、 首や肩、肩の関節にはたくさんの経絡があり、痛みの症状以外にも頭痛やめまいがする、歯がガクガクする、 耳鳴りがする、目が疲れるなどの症状を問診によりお聞きすることで、関連する経絡を特定でき はりや灸を施すことにより気血の流れがよくなり、首・肩の症状および頭痛やめまいなどの症状も 改善の方向へと向かいます。 また、首や肩に何らかの症状がある方は、鎖骨周辺(胸鎖乳突筋、斜角筋)の筋肉が カチカチになっています。 この筋肉を鍼で緩めてあげると、首からお腹の方へと気の流れがスムーズになって、 肩や首がすごく楽になります。
◆症例と対処…肩こり 40代 女性 デスクワーク
一年前に転職してからパソコン作業が多く、肩こりがひどくなり仕事に集中できない。肩は左右とも筋肉が突っ張ったようなこりで、どちらかというと右のほうがこりが強い。気を付けの姿勢で右肩が左肩より下がっている。目をよく使うので後頭部の筋肉も硬い。
眼精疲労があり筋張ったこりから、足の厥陰肝経の気が消耗していることが分かります。この経絡のツボに鍼をして陰陽のバランスを整えます。肩局所は鍼をトントントンと軽く接触させる手技で皮膚表面の緊張を取り、最後に残った皮下の硬い箇所に鍼をしてこりをほぐしていきました。
肩こり全般に、頚部や鎖骨周囲に緊張がみられますので、緊張のある箇所に鍼をして前後のバランスを整えて、治療はひととおり終わりです。気をつけの姿勢で肩の左右の高さが水平になりました。