不眠症・不眠障害について
東洋医学での不眠症に対する考え方は、おおむね日常生活のみだれや精神的な影響により、各五臓(肝臓、心臓、脾臓、肺臓、腎臓)に納まっている神気(生命活動を支配、統制している気)の不調により起こります。東洋医学では心の働きを司っている神気が各五臓(肝心脾肺腎)に納まっていて、この五つの神気が上手く調和していれば心身ともに健康であると考えています。しかし環境の変化や長期の心理的要因(怒り、悲しみ、恐れなど)が、精神的刺激になり身体を攻撃し生理的範囲を超えてしまうと、五臓六腑の統制が乱れ身体に不調が現れます。この五つの神気の働きが不安定になると、日常生活において普通にできることが困難になります。人は生きる為にはエネルギーが必要であり、足りなければお腹が減ります。活動した後は身体を休ませなければならないので、疲れれば眠くなります。不眠の方の多くが、不眠以外にも無意識にできていた身体活動が不調になったりと、他にも何らかの症状が現れています。眠れない悩みにも五臓の特性があり、
・思い悩むことがあり眠れない
・不安感により眠れない
・すぐに眠りにつけるが2.3時間で目が覚めてその後眠れない
・眠りが浅く寝た気がしない...
眠れない悩みのなかにもそれぞれ五臓の特性があり、どの五臓が不調なのかは問診や脈診により判断ができます。
治療としましては、問診や脈診などにより不調の五臓六腑に活力を与えるような鍼灸施術を行い、不調の臓腑の働きを良くして、気の乱れなどの悪循環を断ちます。
そして五臓六腑の働きを安定させ五臓の精神が調和されれば、精神的な興奮や心身の不安感が徐々に解消され、こころの病などがあれば共に良くなり、自然と眠れるようになっていきます。夜に質の良い睡眠を取ることができないと、昼間に眠気が来たり頭がぼーっとしたりして、仕事や生活に支障がでます。特に車を運転される方は早く治療しなければなりません。